教授あいさつ

Greeting Nobuyuki
Yamamoto

和歌山県立医科大学内科学第三講座のホームページをご覧いただきましてありがとうございます。 当科は50年以上の歴史があり私で4代目の教授になります。以前は、ナンバー内科として、代謝・肝臓・腎臓・呼吸器など、幅広い疾患を対象としておりましたが、私の先代から呼吸器内科が専門になり、私の代からは、それに腫瘍内科を追加し、病院標榜科名を呼吸器内科・腫瘍内科としています。このように呼吸器内科と腫瘍内科の疾患を一括して扱う診療科はほとんどなく、それが当科の特色となっています。

呼吸器内科・腫瘍内科は、それぞれ一方でも取り扱う疾患の範囲が広いのはご存じのとおりです。呼吸器内科では、臓器としては主に胸部に限定されますが、疾患は、感染症、閉塞性肺疾患、びまん性肺疾患、肺循環、呼吸管理など多岐にわたります。逆に、腫瘍内科では、疾患はがんに限られますが、臓器にかかわらず腫瘍全体を取り扱います。さらに、抗腫瘍薬の副作用、例えば、肺障害、消化管障害、内分泌障害、皮膚障害、神経障害などの対応を行います。

当科では、呼吸器疾患は当然全般的に取り扱い、例えばCOVID診療については感染制御部・高度救命救急センターと協力し院内の中心的な役割を果たしてきました。また、腫瘍内科としては、各診療科と連携しながら、原発不明がんや肉腫など、その取扱いがpitfallとなりやすい腫瘍の薬物療法や、標準的治療が終了後の患者に対する臨床試験等も積極的に取り組んでいます。

すなわち当科では、呼吸器内科としては手薄になりがちな、他の臓器の経験を腫瘍内科を通して積むことが可能ですし、腫瘍内科だけでは専門的に学ぶことが難しい、感染症・呼吸管理などの内科医として必要不可欠な技量・知識を呼吸器内科として習得することが可能です。
また、研究面では、特に肺癌等を対象とした様々な様々な研究、例えば臨床研究(治験を含む)やトランスレーショナルリサーチが積極的に行われており、その成果は、New England Journal of Medicine等の、世界的なメジャージャーナルに発表されています。
2024年4月からは、医師の働き方改革が本格的に実施されていますが、当科では医局長を中心として積極的に取り組んでおり、病棟をチーム体制にすることなどで、ライフスタイルに合わせた仕事をしていただける体制を整えています。

当科にきていただければ、どの方向に進むにしても、多くの選択肢から選んでいただくことが可能です。ぜひ、我々と一緒に、楽しい仕事をしましょう。

教授山本 信之

沿革

内科学第三講座は1971年に開講し、呼吸器・肝臓・腎臓・脂質を専門領域に診療と研究に携わってきましたが、近年の高まる専門性への要求から現在は呼吸器疾患と腫瘍に特化し県下の診療の中心として、また医学教育・医学研究に大きく貢献しています。当講座では呼吸器学会、呼吸器内視鏡学会、アレルギー学会、臨床腫瘍学会に所属する指導医・専門医を揃え、呼吸器疾患全般、および多岐にわたる腫瘍に対する最新の診断や治療を行うとともに専門医育成や基礎研究・臨床研究に力を注いでいます。
呼吸器診療は、以前より我々が注力しております喘息・COPDはもちろんながら、肺炎などの感染症、呼吸不全などの急性期診療と幅広い疾患を扱うことが特徴です。地域の呼吸器診療の中核を担う組織として、幅広い疾患に対応できるよう診療体制を整え、人材育成に励んでおります。他にも近年抗線維化薬の開発、適応拡大によって治療選択肢が広がった間質性肺炎診療にも力を入れており、2021年6月には間質性肺炎の専門外来も設立しており、地域の患者さんの紹介を多数いただくと同時に、研究面でも若手が精力的に活動しております。

腫瘍に対する診療としては、肺癌を中心に多数の治験、臨床研究、基礎研究を行っており、和歌山にいながら最新の標準治療、さらにはその一歩先の治療も含めた選択肢を患者さんに提示できると自負しております。またがんゲノム医療元年と称された2019年には、これからの癌診療に欠かすことのできない遺伝子パネル検査が保険償還され、日常臨床に大きな変化をもたらしました。我々としても腫瘍センターがんゲノム医療部門を中心に、がんゲノム連携拠点病院として和歌山でのがんゲノム診療の普及に貢献しております。

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